News Letter No.45 - May 2006 -
 
 施設紹介 
−国保中央病院 緩和ケア病棟『飛鳥』−

国保中央病院ホスピス緩和ケア科
四宮敏章


 奈良県初の緩和ケア病棟として開設された『飛鳥』も、はや1年が経とうとしています。これまで無事に運営してこられたのも、皆様からの多大な援助のおかげと感謝しております。
 2006年4月現在、スタッフは専任で医師2名、看護師17名、看護助手1名、兼任でチャプレン(臨床心理士)1名、MSW1名、PT1名、管理栄養士1名、薬剤師1名の体制となっており、昨年から比べると看護師が3名増員となりました。
 3月31日までの時点での実績について述べさせていただきます。総入院数140名(男性66名、女性74名)総退院数121名(男性60名、女性61名)でした。退院された方のうち、108名が死亡退院、10名が一時退院、3名が転科となっております。平均在院日数は29.7日、ベッド稼働率は68.7%でした。
 入院された方の平均年齢は67.6歳で、70歳代が50人と最大でした。最年長は94歳、最年少は29歳でした。患者さんはほとんど奈良県在住の方で、奈良県全域から来られております。大阪府、京都府の方もおられましたが、いずれも奈良県近隣にお住まいの方でした。遠く福井県、長野県から来られた方もおられますが、家族が奈良県に在住の方でした。
 紹介先の病院の多くも奈良県で、111名の方を紹介していただきました。大阪府の病院からも16名ほど紹介いただきました。これらはいずれも大学病院や特定機能病院であり、県内在住の患者がそこで治療を受けていましたが、治療が困難となり当施設に紹介となった例がほとんどでした。
 癌の部位ですが、肺癌が34例と部位別では一番多く、消化器癌は全体で52例でした。膀胱癌、尿管癌などの泌尿器系の癌が10例、乳癌、子宮癌、卵巣癌などの婦人科癌も10例ありました。その他、リンパ腫、脳腫瘍、耳下腺癌など癌の種類も多様でした。頭頚部癌が比較的多い印象でした。
 今年になって病棟は20床ほぼ満床となりました。患者さんも常に入院待ちの状態です。このこと自体はありがたいことなのですが、待っていただいている間に亡くなる患者さんも増えてまいりました。奈良県にもっと緩和ケアの施設があれば、と痛感いたします。人々の緩和ケアへの関心、ニーズは日増しに高まっているのに、それに答えられるだけのものが十分ではありません。
 今後もこれまで以上に頑張ろうと思っておりますので、更なるご支援をよろしくお願いいたします。