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前橋赤十字病院 緩和ケアチーム
小保方 馨
当院では平成17年4月より緩和ケアチームが結成され、専従医師として緩和ケアの回診やカンファレンスに参加することが多くなった。今回、平成18年3月4日にJPOSオンコロジストのための講習会が開かれることを知り、知識や技術を再確認したい思いで参加させて頂いた。全国から医師、臨床心理士、精神専門看護師ら総勢20名が参加した。
内富先生の「サイコオンコロジー概観」と題した講義で始まり「皆さんにはサイコオンコロジストの匠になって欲しい、各病院の中で講師になって欲しい」と語った。チームにおける精神科医の役割がまとめられ、がん拠点病院には精神科医を常勤とする方向性がある事、また患者同士のサポートグループ活動は、疎外感を和らげ人生の意味や愛他主義を学ぶ事ができ、QOLには良いと述べたのが印象的だった。今後は緩和ケアチームの有効性を示していく事が課題と指摘した。岩満先生は「がん患者の心理反応と心理面接の基本」として、患者ががんと共存できるように、陰性感情を表出できるように、後に出てくる病気以外の問題へのサポートが大事とされた。がん患者の精神症状と題して、明智先生から「抑うつ」について、自殺やQOL低下、家族の負担増大、治療コンプライアンスの低下に影響する一方で、医療現場では見落とされやすいのでスクリーニングが重要、リタリンを含めた薬物療法や支持的な精神療法が有用、腫瘍学・緩和医学・心理学など幅広く学ぶ必要性を述べた。秋月先生から「せん妄」について、過活動型だけでなく低活動型がある事、患者・家族・医療スタッフにとって苦痛となる事、危険行動による事故や入院の長期化、意思決定と同意の問題に関連する事が指摘され、マネジメント、環境調整、薬物療法の重要性が述べられた。午後は佐伯先生より「家族への対応」として、家族成員のニーズの把握、家族の感情に配慮したサポート、家族に十分な医学的情報を提供する事が家族ケアの基本原則と指摘された。悲嘆に直面した家族が沈黙型や敵対型の場合の介入の必要性に触れ、また失う対象に応じた対応上の注意点、特に親の病気を子どもの年齢や理解度に応じてどう伝えるかが議論された。下山先生は「痛みのマネジメント」として、がん性疼痛の診断、WHO3段階ラダー、オピオイドローテーション等について解説された。
最後の講義では大西先生が「終末期医療における精神医学的諸問題」として包括的に話された。死別反応、鬱病、記念日反応、解離性健忘が遺族に見られ、死亡率・自殺率・精神疾患罹患率も高い事から遺族ケアの重要性を指摘された。その後、グループワークとして同じ職種で討論し、各々の抱える疑問や問題点が共有化された。精神科の専門用語が身体科スタッフに理解されにくい場合の工夫、子どもに告知する病院の方が少ない現状、心理士からは役割の曖昧さや医学的知識を吸収する場が欲しい等の指摘がされた。
今後、こうした集まりやメーリングリストを通じて、各人の苦労や工夫が語られる場として、顔の見える形でネットワーク作りが進んでいくことを期待したいと内富先生がまとめられた。参加者の方からも活発な質問が出ていたが、私にとっては講師の方々の熱意に触発されると共に、サイコオンコロジーの現在に触れる良い機会であり、今回得た密な情報を今後の緩和ケアチームの礎石として活かしていきたいと感じた。
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