News Letter No.45 - May 2006 -
 
 学会印象記 
第20回日本がん看護学会学術集会に参加して

聖路加国際病院
川名典子


 平成18年2月11日12日の2日間、福岡国際会議場において日本がん看護学会学術集会が開催された。がん看護領域の中心的な学会である。丁度今年が20回目という節目でもあり、学会理事長である聖隷クリストファー大学小島操子氏の「日本がん看護学会20年の歩みとがん看護の進展」と題する講演が行われた。この20年の間にがん専門看護師、精神専門看護師、ホスピスケア認定看護師、などの誕生があり、がん看護の研究のみならず、研究成果の還元のための看護実践力が向上してきたことを再認識する講演であった。
 「がん看護を創造する専門看護の展開」と題されたシンポジウムでは、「乳がん術後患者のQOLを高める」(国立機構東佐賀病院 池松美津子氏)、「がん患者の主体性を活かす外来看護」(千葉大学 佐藤まゆみ氏)、「地域連携を強化する看護」(日本訪問看護振興財団 角田直枝氏)、「がん看護の実践と物語の創造」(九州大学 大池美也子)らが、患者の主体性尊重を当たり前にするための各種取り組みについて論議し、フロアからは厚生労働省官僚の発言もあり、看護職者がエンパワーされるような盛り上がりを見せた。また「創造するがん医療とケアリング」と題されたパネルディスカッションでは、サイコオンコロジー学会でもよくお見かけする東京大学 高橋都氏による「患者の性」、九州がんセンター三輪冨士代氏による「家族の力を引き出すケア」、福岡大学病院 吉田ミナ氏による「外来のチーム医療」の発表に加えて、本学会としては珍しく患者である三好綾氏が加わって「ピンクリボン運動」の展開を発表され、より患者中心で現実的な看護の方向性が見えるように企画されていたように感じられた。
 学会発表の演題数277題のうち1割がサイコオンコロジーに関連した演題であった。これらの発表を聞いて感じたのは、患者さんの心理の理解については調査、研究、実践知がかなり蓄積されてきたが、具体的な介入方法の開発が今後の研究、実践の課題ではないかということである。日本サイコオンコロジー学会で開催されているコミュニケーションスキルトレーニングのような、看護師向け企画のニードを痛感した。
 ちなみに、次回は国際学術集会とともに平成19年2月9日から11日に東京国際フォーラムで開催予定である。