がんサバイバーのためのサポートグループが看護師にもたらす効果
―参加した看護師に対するアンケート調査の結果から― |
聖路加国際病院
中村めぐみ
当院看護部では、がんサバイバーを対象としたサポートグループを10年にわたり実践してきた。この間に参加した看護師より、多くの学びがあったという反応を得てきた。そこで、グループ精神療法的アプローチを用いたがんサバイバーのための教育・支援プログラム(1クール全5回)に参加した看護師がどのようなことを学び、日々の看護実践の場にフィードバックできているのかを明らかにし、このプログラムが看護師に及ぼすメリットを検討するために、半構成的質問に対する無記名自由記述式のアンケート調査を行った。
返信のあった7名の回答を分析した結果、サポートグループに参加した看護師の体験は5つのカテゴリーに集約された。その内容とサブカテゴリーを紹介する。
第1は、「がんと共に生きることの実態をつかむ」で、がんサバイバーの[精神的な苦悩][日常生活上の支障][情報処理の大変さ][他者との関係への影響][平静さ][自助努力][理解・交流への要望]を捉えていた。
第2は、「医療者に対する患者の思いを知る」で、[医師と対話することの難しさ][患者と医療者との意識のギャップ][医療(者)への評価の仕方]を感じ取っていた。
第3は、「コミュニケーションを深める要因に気付く」で、[展開されるコミュニケーションの観察][患者の話をよく聴く][言葉の奥にある患者の気持ちの洞察][心で感じたことの言語化][真の共感のプロセス]「人と人との対等な立場でのつながり]が重要であることを習得していた。
第4は、「グループ精神療法的アプローチの特長に触れる」で、[患者同士の相互作用][感情を表現し分かり合うプロセス][集団によるパワーの結集][対話を促すことの難しさ・重圧感][支持・感情表出・自発性を促すファシリテーターの技]を察知していた。
第5は、「自己への還元」で、[がん及びサバイバーに対する意識の改革][がん及びサバイバーに関連した知識の拡がり][コミュニケーションの上達][医療者にできることの再認識][励みになること]を体験していた。
以上の結果から、サポートグループへの参加が看護師にもたらすメリットとしては、・がんサバイバーの生活や思いなどの実態を捉える絶好な場となる、・実際にコミュニケーションが取れ、つながりが持てることに喜びを感じられる、・参加者ががんと共に生きていくパワーに触れることで自らも励まされる、が示唆された。
ここでの発見や体験は看護師の知識・技術・活力となり、病棟や外来など日々の臨床の場で生かされることが期待できるだろう。
なお、本研究のプロセスおよび結果の詳細については、第20回日本がん看護学会学術集会(2006年2月11・12日)で発表した。
|