|
精神科部長
石束嘉和
当院はH17年4月に横浜市が設立して日本赤十字社が指定管理者となって発足した「公設民営」病院(634床)です。職員の身分は日赤所属の民間人です。日赤が指定管理者として選定される際に横浜市との間にいくつかの約束がなされました。精神科救急医療(精神科病棟50床のみH19年度開棟予定)・小児救急医療などと並んで緩和ケア医療もその政策的医療の一つです。そして当病棟は横浜市南部医療圏で初めての緩和ケア病棟となります。
当病棟は2階にあり、25床(全個室)あります。写真は病棟廊下です。インテリアは木が多く使用され全体にシックな茶系統でまとめられています。床はカーペットで照明はダウンライトを用い、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。廊下の壁にはボタニカルアートが飾ってあります。写真右手には個室が並び、左手は中庭になっています。中庭は植栽され、ベンチなどがあり憩えるようになっています。
開棟当初は専従の医師が不在でしたが、7月に黒田俊也医師(内科)が専従の病棟医長としてピースハウスから着任し、本格的に稼働し始めました。しかし、まだ黒田医師一人ですので25床をフルに使う段階には至っていません。今年の5月にもう一人専従の医師が着任予定で、そうなればいよいよフル稼働することでしょう。
 |
| 横浜市立みなと赤十字病院 |
H17年12月末時点での統計では、のべ入院数77人、のべ退院数67人(うち死亡退院59人)。入院申し込みから入院までの待ち日数は平均17.3日。平均在院日数33.7日となっています。
精神科医である私は定期的に病棟を訪問してスタッフとの意見交換を行い、必要に応じて患者診察を行っています。上記の統計データからわかるように、現在の患者の流れは最終末期に入院して30日前後で死亡退院して行かれることが多く、不安・抑うつ・スピリチュアルペインなどへの精神科的関与はさほど多くはありません。せん妄への対応の方が多いのが現状です。将来的には今よりも早期の段階で一旦入院していただき、スピリチュアルなものも含めて精神科としてもっと積極的に関与して行ければと思っています。
毎週木曜には多職種合同カンファレンスを行っています。参加職種は、緩和ケアスタッフおよび精神科医、薬剤師、臨床心理士、理学療法士、管理栄養士、MSWなどです。新規入院患者の紹介や個々の患者についての多方面からの議論を行っています。
横浜市ターミナルケア推進事業の補助も得て院内外への啓蒙活動や講演会も積極的に行っています。講演会としては平野美紀氏(東京都精神医学総合研究所研究員)による「死の自己決定」、小澤竹俊氏(横浜甦生病院ホスピス病棟長)による「苦しみの中でも幸せはみつかる」などを行いました。
まだスタートしたばかりの初々しい緩和ケア病棟です。皆様のご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。 |