| 第52回Academy of Psychosomatic Medicineに参加して |
名古屋市立大学大学院医学研究科
精神・認知・行動医学分野
名古屋市立大学病院こころの医療センター
佐川竜一
このたび、2005年11月16−20日にかけて米国ニューメキシコ州Albuquerqueで開催されましたAcademy of
Psychosomatic Medicine(APM)に初めて参加させていただきましたので、本誌面をお借りして学会の雰囲気や印象に残った発表などをご紹介させていただきます。
APMは、身体疾患患者の精神医学的な側面を中心に扱う学会で、コンサルテーション・リエゾンに携わる精神科医および心理士がその構成メンバーの核となっている学会です。またその学会の質そのものが高いために、広く世界から臨床家、研究者が集う学会でもあります。例年がん患者の精神症状に関しての演題も多かったのですが、今年度はサイコオンコロジー分野の演題は少なく、コンサルテーション・リエゾン分野の演題が中心でした。今回の学会では3つのプレナリーセッション、8のワークショップ、16のシンポジウムが開催され、一般演題のポスター発表および口演など多数の演題で構成されていました。
3つ開催されたプレナリーセッションについて簡単にご紹介しますと、一つ目はWelcome and Opening Plenary
Lectureとして、今学会のPresidentであるPaula T. Trzepacz先生がAlzheimer病について、発症を遅らせ有病率を低下させるために現在開発・検討されているAntioxidants、Vitamins、Statine、NSAIDsなどの有効性について、最新論文の紹介も交えながらお話されました。二つ目はMark
George先生が迷走神経について最新の知見とVNS治療の成果について、「An Update on the Vagal Nerve
and Clinical Vagus Nerve Stimulation: An Information Superhighway
Connecting 'Psych' and 'Soma'」 というまさにPsychosomatic Medicineにふさわしいタイトルで話をされました。最後は、Wayne
J. Katon先生がDepressionと糖尿病の相互関係や最新の取り組みについて話をされ、特に医療経済の観点での情報やコメディカルによるソーシャルサポート的な介入など、日本ではなかなか知ることのできない現場でのとりくみなどについても学ぶことができました。
本学会は、毎年11月にアメリカの様々なリゾート地のホテルで開催され、日頃の業務から解放されて心身をリフレッシュするのにも最適かもしれません。今学会の開催されたAlbuquerqueは、標高2000m近い高地の乾燥地帯に位置するインディアン文化を色濃く残す町でした。見渡す限りの草原(会場ホテルのごく近辺でもコヨーテや大蛇が出るそうです)や大地に沈む太陽など、日本では決して見ることのできない大自然も印象的でした。次回のAPMは2006年の11月15-19日にArizona州のTucsonで開催されます。ご興味をお持ちの方はぜひ一度本学会のホームページ(http://www.apm.org)をご覧下さい。
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