在宅緩和ケアサービスを利用しているがん患者の主介護者を対象とした、
コーピングスキル向上を目的とする介入の効果:RCTによる検討 |
東京大学大学院
成人看護学/緩和ケア看護学
三條真紀子
東京大学大学院
成人看護学/緩和ケア看護学
三條真紀子
McMillan SC, Small BJ, Weitzner M, Schonwetter R, Tittle M. Moody
L, et al.
Impact of Coping Skills Intervention with Family Caregivers of Hospice
Patients with Cancer
:A Randomized Clinical Trial
Cancer 2006;106:214-22.
【目的】在宅緩和ケアサービスを利用しているがん患者の主介護者を対象とした、コーピングスキル向上を目的とする介入(COPE)の効果を検討するためにRCTを行った。
【対象】米国南東部にある大規模な1ホスピスを利用しているがん患者の主介護者。
【方法】データ収集は1999年から2003年に行い、在宅ホスピス登録者の家族354名をベースラインで3群に無作為に割り付けた。3群はそれぞれ対照群1(通常の在宅緩和ケアサービス)、対照群2(通常の在宅緩和ケアサービス+情緒的支援介入)、介入群(通常の在宅緩和ケアサービス+COPE)とした。対照群2には、介入群と同じ回数(3回)・時間の情緒的支援介入(介入は個別的で、体系だったコーピングスキルの獲得は目指さない)が提供された。自記式質問紙を用いたデータ収集はベースライン(登録時から72時間以内)、介入1週間後(登録から16日後:Time2)、介入2週間後(登録から30日後:Time3)の3点で縦断的に行った。プライマリエンドポイントは介護者のQOL、患者の症状による介護負担感、介護そのものによる介護負担感、統御力(mastery)とした。
【結果】329名の介護者が3群に割り付けられた。介護者の多くが女性で、年齢は60歳前後、3群間で背景に有意差はなかった。脱落例が多く、Time3での回答者は各群とも3割〜4割程度であったが、脱落者と全回答者の背景はほぼ同じであった。介入2週間後の介入群では、介護者のQOL、患者の症状による介護負担感、介護そのものによる介護負担感は他の2群よりも有意に改善した。統御力(mastery)には有意な変化はみられなかった。
【考察】在宅緩和ケアサービスを利用している患者の主介護者を対象とした、コーピングスキル向上を目的とした介入は、「通常の在宅緩和ケアサービスのみ」、もしくは「通常の在宅緩和サービス+情緒的支援介入」と比べて主介護者のQOLの向上や介護負担感の減少に効果があった。終末期という難しい状況においても、そして既に緩和ケアサービスをうけている対象においても、介護者を対象としたコーピングスキル向上を目的とした介入が有効であることが示された。
【コメント】終末期がん患者の主介護者への教育的介入に関するRCTにより、その効果が示されたことは今後の家族支援を考える上で重要である。わが国でも、家族がどのようなニードをもっているのかを明らかにしたうえで、家族支援プログラムを開発していくことが望まれるだろう。
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