News Letter No.43 - Nov 2005 -
 
 施設紹介 
都立駒込病院神経科

神経科医長
赤穂理絵


 都立駒込病院は、1879年にコレラ・ペストなど感染症のための病院として開設されました。創立125年を迎え、現在では32の診療科を持つ稼動病床数801床、外来数1日平均約1,300人(平成15年版駒込病院年報より)の総合病院です。都立病院の一つとして地域密着型の総合病院である一方、地域がん診療拠点病院、AIDSをはじめとする感染症治療の拠点病院という2つの特徴を持っています。平成15年度の統計では、疾患別入院患者のうち1位は悪性新生物で53.1%を占めており、年間HIV/AIDS症例数は、119例でした。
 駒込病院神経科のスタッフは、常勤精神科医1名、非常勤精神科医1名(週4日勤務)、常勤臨床心理士2名です。
 神経科に入院病床はなく、主な業務は一般外来診療と、院内入院中の患者に対するリエゾン・コンサルテーション診療。連日一般外来診察を終えた後、院内のコンサルテーション業務という日常です。他科入院中の患者さんへの診療依頼は、年間実人数で約300名。その他、リエゾン活動としては、平成8年から院内の造血幹細胞移植チームに参加させてもらっており、移植を受けるほぼ全員の患者さんを対象とした心理的サポートを行っています。
 他科から依頼のケースは、その多くが癌患者さんで、神経科スタッフもサイコオンコロジーにのっとったスキル向上を目指しています。平成13年から神経科内で月1回『緩和ケア勉強会(旧称:ターミナルケア勉強会)』を開始し、現在では院内オープン参加形式にして継続しています。また現在、駒込病院には緩和ケアチームはありませんが、平成17年1月から神経科スタッフ、がん専門看護師、化学療法科医師が中心となって『緩和ケアキャンサーボード』を月2回開催しており、薬剤科、医療相談室、栄養科、在宅看護部門からなるメンバーの協力体制を作りました。
 また診療報酬をとらないサービス部門として、臨床心理士の先生が週2回、『こころの相談室』を開設しています。神経科受診はちょっと敷居が高いという患者さんやご家族からの相談の他、「患者さんとの接し方で悩んでいる」という医療スタッフからの相談もあり、病院全体の精神保健向上に役立っているようです。
 院内からの精神科的サポートのニーズは高く、正直言うと「現在の神経科スタッフ数ではきつい」と感じることもありますが、「無理をせず、できるだけのことをしていくのみ」という肩の力を抜いたスタンスでやっております。今後ともサイコオンコロジー学会の皆様からのご指導の程、よろしくお願い致します。