News Letter No.42 - Aug 2005 -
 
 施設紹介
「九州がんセンター サイコオンコロジー科〜その後の取り組み〜」

九州がんセンターサイコオンコロジー科
大島 彰    
大谷弘行(記載)


 当院の施設紹介は2回目となります。その後の活動状況を中心に報告いたします。
 当院は九州における唯一のがん専門施設で、現在1日入院患者数約400名・1日外来患者数約300名で、日本医療機構評価機構に認定されています。
 平成5年より当科大島医師が、先駆けてがん患者家族のコンサルテーション・リエゾン活動を非常勤という形で始め、平成15年から診療科としてサイコオンコロジー科を開設しております。平成17年からは、サイコオンコロジー科医師が2名に増員され、各精神疾患患者に対して、それぞれの立場で議論の場が設けられ、より一層のサポートが図れるようになりました。また、小児(入院時全員に顔合わせ)・女性疾患を中心に白石心理療法士が、非言語的な関わりも含めサポートにあたっています。
 サイコオンコロジー科の開設により、患者家族・医療者への周知が深まり、気軽にいつでも診療・相談ができる体制となりました。患者家族から「この病院は“がんのこころのケア”もしてもらえると聞いていたから、この病院を選びました」という方も来られようになりました。また、看護師・医師からの診療依頼及び、非常勤からの延長としての非公式相談(ちょっと相談)も増加傾向にあります。いつでも気軽に相談できるのが当科の特徴なのかもしれません。疾患別では、依然として他施設同様にうつ病・適応障害・せん妄が多く、特に乳腺科・婦人科からの、不安症状を伴う適応障害の依頼が、外来入院を含めて目立っています。
 また、平成16年に開設された緩和ケアチームの一員としての役割を担い、精神症状に対する助言を行っています。緩和ケアチームは、緩和ケア診療加算をとっていませんが、身体科医師2名(化学療法科部長・骨軟骨科部長)・がん性疼痛看護認定看護師3名・ホスピスケア認定(予定)看護師1名・医療福祉専門員2名・薬剤師1名・サイコオンコロジー科医師2名が、よりよい意見・情報交換を行い、ケアの質の向上を目指しています。看護師・医師からの依頼票(随時)・週一回の病棟回診での患者の掘り起こしを行い、身体面精神面で患者のサポート体制にあたっています。
九州がんセンター
 以上のように、サイコオンコロジー科の開設・サイコオンコロジー科医師の増員・緩和ケアチームの開設がありましたが、まだまだ診療・研究面において不足しているところがあり、他施設の取り組みを参考に一層の改善努力をしていきたいと考えております。
 今後の当面の課題として、地域医療への働きかけでサイコオンコロジー分野の啓蒙を行い、地域のがん患者の精神サポートの向上を考えています。現在、当院乳腺科医師との共同により、九州一円の乳腺科医師への啓蒙を徐々に拡大しつつあります。今後とも当九州がんセンターを何卒よろしくお願いします。