|
彦根市立病院緩和ケア科
黒丸尊治
今年4月5日に、がんのイメージ療法で有名なカール・サイモントン先生が彦根市立病院に来られました。当日は約1時間にわたり、医師やナースをはじめとする病院職員を対して講演をして頂きましたので、その内容を簡単に報告させて頂きます。
サイモントン療法というと、がんのイメージ療法だと思っている人が多いと思いますが、実際には、それはサイモントン療法のほんの一部にすぎません。もちろん、心ががんに対して大きな影響を及ぼすという事実が大前提となっていますが、中心テーマとなっているのは、いかにして健康を維持しつづけるような心の状態を持ち続けるかということです。それには二つの大きな柱があり、ひとつはがんに対する間違った思いこみに気づき、それを修正すること、もうひとつは自分にとって心地よいと思えること、楽しめること、イキイキできることを見いだし、それを実行に移すというものです。
がんは忌み嫌うものではなく、何かを自分に伝えるためのメッセンジャーであり、自分の本性に還るための大切なきっかけであると説いています。がんからのメッセージに耳を傾け、それに気づいたとき、その人の自己治癒力が引き出され、それが結果として健康の維持や、再発予防といったことにつながるというのです。ですから、サイモントン療法は、イメージ療法でがんを治すといった短絡的なものではなく、あくまで、がん患者の持っている健全な部分に焦点を当て、その力を最大限に引きだすための様々なプログラムの集大成であると言えます。
今回の講演では、健康のための12のポイントについて話されたので、ここではその12の項目だけ載せておくことにします。・私たちは本質的に健康な存在である、・私たちはエネルギー(気、生命エネルギー、生きる意志)を高めることにより健康を手に入れることができる、・効果的に感情的ストレスを解消すること、・イメージ療法を効果的に取り入れる、・希望や絶望感と、それが健康に及ぼす役割、・執着について効果的に対処する、・死や魂、霊性に関するより健全な捉え方を育むことがプログラムの核である、・日常生活の出来事に対するストレスパターンを認識する、・がんを体験することの意味を見いだす、・直感的叡智、霊性についての基本的な課題に取り組む、・サポーターの果たす役割、・効果的な計画を立てる。
 |
| カール・サイモントン先生と筆者
|
なお、サイモントン先生は現在、年2回来日し、がん患者さんのための6日間のワークショップを開いています。関心のある方は、NPO法人サイモントンジャパンのホームページ(http://www.simontonjapan.com/)をご覧下さい。
|