| 第18回日本サイコオンコロジー学会総会(第10回日本緩和医療学会総会との合同大会)に参加して |
名古屋市立大学看護学部
石黒千映子
2005年6月30日〜7月2日、第18回日本サイコオンコロジー学会(第10回日本緩和医療学会総会との合同大会)が横浜で開催されました。『緩和医療とサイコオンコロジーの原点 患者家族と歩む』という学会テーマのもと、“コミュニケーション”、“疼痛などの症状緩和”、“チーム医療”、“家族や遺族のケア”、“緩和医療やサイコオンコロジーに携わる医療者の卒前・卒後教育”など、多彩な内容のシンポジウムやワークショップ、セミナー、ポスター発表が8時から22時まで盛り込まれていました。ここでは、とくに印象深かったナイトプログラムについてご報告します。
ナイトプログラムでは、“第一線”でご活躍の先生と学会参加1〜2回目の会員とが少人数のグループに分かれ、「がん患者の心」というテーマで話し合いました。学会参加が1〜2回とはいっても臨床経験は豊富で、長年緩和医療に携わっておられる医師や看護師の方が何人もおられましたし、専門領域も臨床医、看護師、臨床心理士、大学教員、大学院生とバラエティに富んだメンバーでした。話し合われたテーマも豊富で、“緩和医療の定義”や“緩和医療病棟開設から軌道に乗るまでの苦労とそれを乗り越えるための工夫”、“緩和医療病棟で働くスタッフの心の健康を守るための方法”、“一般病棟から緩和医療病棟へと移るときの患者の思い”、“死にたいと訴える患者の本当の思いと関わり方”、“死の受容のプロセス”等々、どれも深い内容でした。
一般病棟から緩和医療病棟へ移られたとき、患者様の多くは医療者に見捨てられたという思いからくる怒りを緩和医療病棟のスタッフに向けるが、緩和医療病棟でのスタッフとのかかわりを通して医療者−患者関係の再構築がなされることで怒りが薄れていくという実体験にもとづく話に一同深く頷いたり、死にたいという患者の辛さがわかるだけにどう対応すればよいのかという悩みに、“逃げたい”、“やめたい”という思いが言葉を変えて“死にたい”と表現されているのではないか、そのことをまず理解することが大切ではないかといった意見が出されて感嘆の声があがったり、キューブラー・ロス博士が亡くなる直前に収録されたインタビューが話題に上り、果たして死を受容する段階があるのだろうか?という疑問に悩みながらもそれぞれの意見を出しあったりと、皆で一緒に悩み考えていく雰囲気の中で、自分とはまた違った意見が聞ける、刺激的で充実したディスカッションでした。
今回、初めて学会に参加させていただき、上述しました内容以外にも多くの学びを得られただけでなく、大勢の参加者で熱気溢れる会場に身をおけたことも実に貴重な経験でした。最後になりましたが、ご関係の先生方に紙面を借りて御礼申し上げます。
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