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国立精神・神経センター精神保健研究所
成人精神保健部
永岑光恵
Partner’s Adjustment to Breast Cancer: A Critical Analysis of Intervention
Studies
Cochrane BB、 Lewis FM. Health Psychology, 2005, 24(3), 357-332.
【背景】2005年の米国において乳がんと診断される女性は27万人と推定されている。多くの乳がん患者は初期の段階で発見され、高い治癒の可能性があるが、乳がんの診断や治療は女性に深刻な身体的、心理社会的影響を及ぼすことが分かっている。同様に、乳がんが乳がん患者のパートナーに及ぼす影響も大きく、パートナーが援助を求める時、利用できる資源や介入がなく、しばしば孤独を感じている状況である。パートナーの情動的ストレスや抑うつ気分は患者である女性に悪影響を及ぼす可能性が示唆されていることから、パートナーへの介入の重要性は高く、研究の重要性が指摘されているものの、介入研究は少ない。
【目的】乳がん患者のパートナーに対する介入研究から何が明らかにされているのかをまとめて、今後の研究の方向性を示すことを目的とする。
【方法】以下のデータベースを用いて1966年から2004年までに掲載された論文に関する文献検索を行った:MEDLINE、CINAHL、CANCERLIT、HealthSTAR、PsycINFO。
文献の選択基準:1.対象者は、乳がん患者のパートナーを含んでいる。2.パートナーに介入が実施されている。3.介入には、パートナーを援助するための方法が用いられている。4.乳がん患者のパートナーのアウトカムが明確に記述されている。
なお、介入がパートナーと乳がん患者本人の両方に対して行われている研究でも、パートナーが介入のターゲットであり、パートナーを援助することに焦点が当てられている研究は含めた。
【結果】4つの研究が同定され、そのうち、ランダム化比較試験は2つであり、それぞれのサンプルサイズは34名と20名という小さいものであった。介入方法としては、コミュニケーションと問題解決に焦点をあてたもの、認知療法、性役割理論に基づいたもの、理論と実践を基盤としたアプローチの4つであった。アウトカムとして量的な変化を検討した研究は3つあり、そのうち2つの研究において不快情動の軽減や、コミュニケーションの改善というポジティブな変化が示された。
【考察】
20年以上にわたってパートナーへの介入の重要性やその研究が必要とされていながら全く対策を講じてこなかったという状況であることが、1966年から上記の条件を満たす研究が4つしかなかったことが物語っている。2つの研究において、パートナーへの介入の有効性を示唆する結果が得られていたが、サンプルサイズが少なく、タイプ・エラーの可能性を払拭できない。サンプルサイズを増やすために、複数の方法で対象者をリクルートすることが必要であり、さらにアウトカムの変数としてパートナーの不快情動の軽減をみるだけではなく、“夫婦間の関係性”の変化を主に評価すべきであろう。
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