News Letter No.39 - Nov 2004 -
 
 学会印象記
日本心理臨床学会・日本カウンセリング学会に参加して

目白大学
小池眞規子



 9月に臨床心理学領域を代表する二つの学会の大会が相次いで開催されました。以下に、両学会のがん医療に関連したプログラムについて記し、大会に参加した感想を述べたいと思います。
 日本心理臨床学会第23回大会は、2004年9月8日より11日まで川越市の東京国際大学で開かれました。
<事例研究>総合病院におけるターミナルケアの試み(慈友クリニック・斉藤)
<基礎・調査研究>チーム医療における心理士の役割−がん患者への他職種との協同支援を通して(大阪大学付属病院・吉津)
<ポスターセッション>親を亡くす子どもへの援助:親との死別が子どもに説明されるための諸条件(千葉県スクールカウンセラー・武内他)、ホスピス病棟における臨床心理士の関わり(救世軍ブース記念病院・平山)、緩和ケア領域における心理臨床家の業務の現状と継続教育ニーズ(静岡県立静岡がんセンター・栗原他)
<自主シンポジウム>緩和ケア(病棟)における心理臨床について その4(小倉記念病院・三木他)
 1万人を超える学会員を有する本学会の中で、がん医療に直接携わる会員は決して多くはありませんが、毎年新たな施設より研究発表がなされ始めており、確実に底辺は拡大しているのではないかと思われました。
 日本カウンセリング学会第37回大会は、2004年9月19日より20日まで港区の明治学院大学で開かれました。
<事例研究発表>:がん専門病院におけるカウンセリング(静岡県立静岡がんセンター・栗原)、終末期におけるスピリチュアル・ペインへのケア(真宗大谷派・三橋)
<ポスター発表>ターミナルケアにおける看護学生のコミュニケーション不安(昭和大学保健医療学部・伊藤)
 本学会は、元来、教育領域の関係者が多くを占める学会でしたが、最近では医療、産業領域などの研究発表も少しずつ増えてきています。また、大会前日に行われた研修会において、筆者が担当した「医療・看護カウンセリング」の参加者は30名あまりでしたが、この数年、参加者が研修会に求めるものの質に変化が生じてきていると感じています。当初は実際にがん患者さんや家族と関わっている人は少なく、がん医療、とくに終末期におけるカウンセリングへの興味・関心が主でした。今回の研修会では、医療機関においてだけではなく、さまざまな形でがんの患者さんや家族の問題に出会い、対処を求められる中で研修会に参加された方が多くみられました。
 両学会ともに企画シンポジウムで「心理療法を教える」(心理臨床学会)、「スーパーバイザー教育を考える」(カウンセリング学会)と指導者養成の問題が取り上げられていました。大学院における心理臨床家の養成と卒後教育、また、がん医療をはじめとした心理臨床領域の広がりの中で、指導者の養成が急務であり、重要な課題であると感じました。