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東京学芸大学保健学研究室
朝倉隆司
今回初めてコペンハーゲンで開催された国際サイコオンコロジー会議に参加しました。世界各国でサイコオンコロジーに関する研究あるいは実践に携わっている方々の発表を聞き、少しでも触れ合うことができたのは、とても刺激的な体験でした。
まず、私たちの研究グループのポスター発表を簡単に紹介すると、「Examination of the Effects of Mixed
Support Groups for Cancer Patients Open to Local Communities in
Japan」という演題で、1997年から取り組んできた地域開放型サポートグループの実践のうち、疾患混合グループ(男性グループ、女性グループ、男女混合グループ)で認められた主に精神心理面での効果について報告したものです。通常、がんの部位やステージを揃えてグループ介入が行われるのですが、そのようなコントロールができない「場」での研究成果を報告しました。
また、今回の会議では、私たちの原点とも言える米国のThe Wellness Communityの副代表であるMitch Golantさんと再会できたのも嬉しいことでした。さらに、イスラエルにおいてウェルネスコミュニティ方式でサポートグループを運営されているソーシャルワーカーの方とも知り会え、日本とアメリカ、イスラエルとの社会文化による違いがサポートグループのメンバーの参加にどのような違いをもたらすかを、ほんの僅かでしたが話し合うことができたのも収穫でした(写真)。もちろん、文化や社会環境による違いを軽視できませんが、基本的にはがんを患う人々の多くが共通して心理社会的サポートを求めている事実を知ったことは、今後私たちの活動のモチベーションを高めてくれるだろうと思います。
さらに、Medical Sociologistの立場から印象に残った点を述べると、デンマークの研究者が全デンマークのがん患者の職業復帰のデータを分析していたことです。中壮年期のがん患者にとり職業生活をどのように再建することができるかでQOLが大きく左右されることを考えると、重要な心理社会的研究であると思いました。初期のインテンシブな医療的介入が終了した後に、がんと共に生活する苦悩は始まるのかもしれません。さらに詳細には知り得ませんでしたが、アイルランドなどでも、サポートグループなどの心理社会的援助を提供するCancer
Support CenterなどNPO組織があり、そこに所属するヘルスケアの専門家が発表していました。がん患者への地域ベースでのサポートの裾野の広さが伺われます。日本でも患者会組織はたくさんありますが、そこに所属する専門家スタッフがこのような学会に参加して対等に研究報告することは稀ではないでしょうか。そのような時代が日本にも早く来ることを期待しています。
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