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代表世話人
広島大学大学院 精神神経医科学
山脇成人
去る平成16年5月13日(木)・14日(金)に第17回日本サイコオンコロジー学会総会が久保千春教授(九州大学大学院医学研究院心身医学)の大会長の下、成功裡のうちに開催された。会場となった九州大学医学部百年講堂は出来たばかりのすばらしい講堂で、この設立に際して久保教授は募金委員長を務められたとか。その実力には敬服するばかりである。
本大会の基本テーマは「サイコオンコロジーと心身医学」が掲げられ、心身医学発祥の地にふさわしいプログラム構成であった。第1日目の会長講演は久保教授のライフワークである「ストレスと神経・内分泌・免疫相関」と題する講演で、心身医学の基本となる心身相関の科学的基盤についてその歴史から最先端の研究成果を報告された。この神経・内分泌・免疫相関の理解はがん患者の不安・抑うつ症状あるいは家族のストレス反応にも応用可能なものであり、参加者には有意義な講演であった。また、特別講演として精神分析を専門とする精神科医でありながら音楽家としての活動も有名な北山修教授(九州大学人間環境学府)が「日本文化における『死』のタブー」と題するとても魅力的な講演をされた。日本神話を題材にしながら、日本人の死生観について精神分析的観点を踏まえながら独自の考え方をまとめられ聴衆を魅了した。
教育講演は第1日目に、九州大学麻酔・蘇生学の高橋成輔教授が「こころの侵襲学」と題して、自身の麻酔管理経験を基に手術侵襲による心的外傷からの回復過程について独自の考え方を発表された。第2日目には三瀬村国保診療所の白浜雅司所長が「臨床倫理の考え方−日常臨床で出会う倫理的な問題の対処法」と題して、Jonsenらの臨床倫理の4分割法をもとに具体的な事例を用いて解説された。臨床倫理が理念として論じられる傾向が強い中、臨床に根ざした倫理のあり方について貴重な講演であった。
シンポジウムとしては、「各医療施設における緩和医療の現状と展望」、日本交流分析学会との合同で企画された「サイコオンコロジーと交流分析」が、ワークショップとして「がん患者をかかえた家族・遺族のケア」が行われた。また、32題の一般演題もテーマ別に発表され熱心な討論がなされていた。学会終了後には市民公開講座「がん患者の全人医療」も行われ、充実した第17回学会総会が無事終了した。
最後に、学会員を代表して本学会総会を成功に導いてくださった久保大会長ならびに九州大学大学院・心身医学講座の皆様方に心よりお礼申し上げます。
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