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獨協医科大学精神医学
下田和孝
第17回日本サイコオンコロジー学会総会第2日に一般演題V「婦人科がんと乳がん」の座長を松島英介先生(東京医科歯科大学・大学院心療・緩和医療学分野)と下田でつめさせていただいた。
荻野ら(旭川医科大学産婦人科)は婦人科がん化学療法患者に対して面接・介入を行った結果、HADSスコアの改善が確認できたと報告した。松下らは(東京医科歯科大学大学院・緩和医療学分野)は手術の必要な婦人科疾患患者の心理特性を術前・術後を通じて追跡調査をおこなったが、心理的苦痛は年代に依存すること、疲労感・混乱という心理特性は入院中から退院後まで一定の水準で認められると報告した。村田ら(東京医科歯科大学大学院・緩和医療学分野)は手術の必要な婦人科疾患患者のQOLに注目し、術前・術後を通じて追跡調査をおこなったが、機能面では術後3ヶ月にてほぼ回復していること、臨床要因(年齢、腫瘍部位、術式、合併症、精神症状の有無、入院期間)により変化すること、身体的臨床条件が精神的側面にも影響を及ぼすことを示唆した。塩崎ら(大阪大学大学院人間科学研究科)は乳がん患者への親しい他者からの関わりについての調査をおこなった結果、乳がん患者へのかかわり方としては患者と同等の立場での積極的関与がもっとも多く、患者をかばい守る保護的関与がそれに次ぐものであり、親しい他者からの関わられ方によって関係満足感が改善する可能性が示された。岩満ら(滋賀医科大学精神医学)は初発の乳がん患者に確定診断後から心理的介入を行い、その臨床効果について検討した。退院後の時点で介入群は非介入群に比較して心理的苦痛が低くなる傾向が認められた。安井ら(国立精神・神経センター国府台病院精神科)は乳がん患者の診断されてから、入院までの心理的サポート(サポート教室)、及びサポート教室終了後にも継続したグループ療法について報告した。「入院前の不安や再発不安が軽減された」といった感想が参加者から得られたと報告された。
婦人科がんおよび乳がん患者の手術前後の心理的状態やQOL、他者の関わりを明らかにすることよって、薬物療法・精神療法をはじめとする精神医学的治療介入の時期やポイントが明確になることが期待される。また、このセッションのうち、3演題が婦人科がん患者ないしは乳がん患者への心理的介入を扱ったものであった。精神科・臨床心理以外の分野からの報告もみられ、がん患者の心理的ケアの裾野が広がりつつあることを実感できた。
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