| シンポジウムU 「サイコオンコロジーと交流分析」を終えて |
東京大学医学部心療内科
久保木富房
今回の日本交流分析学会第29回大会と日本サイコオンコロジー学会第17回大会は九大の久保千春教授が会長を兼務された。久保会長の発案で、両学会の合同シンポジウム「サイコオンコロジーとTA」が開催され、筆者と北里大学医学部精神科教授の宮岡等氏の二人が座長役に指名された。
シンポジストとしては、広島大学保健学科の岡村仁先生、日本大学心療内科の村上正人先生、ルーテル大学の白井幸子先生、東大心療内科の吉内一浩先生の4名が選ばれた。
まず、岡村先生より「がん患者に対する心理療法を中心に」と題して講演があり、海外における心理教育的グループ療法ががん患者のQOLの向上に有効であること、さらにわが国の現状について紹介された。
次に、村上先生は「現代人の死生観と[時間の構造化]」というテーマで発表された。先生は、人間としての威厳を保って死にたい、という尊厳死について触れ、より良く生き人間らしい死を迎えるためには、死を意識しての真の心の交流とは、などについて「ストローク」、「基本的構え」、「時間の構造化」などについて述べた。
3番目に、白井先生は「末期医療の現場にいかす交流分析」と題して発表された。先生は、交流分析の基本的概念について説明し、さらに、人は自分の死をどのように受けとめるか、どのような援助が可能か、について講演された。
最後に、吉内先生は「造血幹細胞移植におけるリエゾンとエゴグラムの活用」というテーマで発表された。東大式エゴグラム(TEG)を利用した臨床的実践研究の話しは示唆に富む興味深いものであった。
発表後の討論においても活発な交流があり、久保会長の提案されたシンポジウムは予想以上の成果をあげたものと思われる。
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