第10回日本緩和医療学会、第18回日本サイコオンコロジー学会合同大会の大会長を務めさせていただきました。最終日、7月2日の午後、―望ましい緩和ケア、心のケアとは?― と題して市民公開シンポジウムを開催致しました。多くの方々にご参加いただき、主催者として嬉しく思っています。
今、日本では年間に31万人近い方ががんで亡くなっています。がんに罹った人の約半数が治らないで亡くなっていることになります。こういった状態の患者さんの身体的な苦痛の改善、精神的な苦悩の軽減を目指した学問も日々、進歩しています。そして、こうしたがん緩和医療、サイコオンコロジーに関心をもつ医師、看護師、薬剤師、技師、臨床心理士など、さまざまな職種に身を置く人が急速に増えてきました。今回の合同大会でも、過去最多数の演題が発表され、かつ参加者、新規入会者数も記録的でした。3,400人以上の参加者が集られ、しかも他の学会に比して参加者が熱心ですので、会場が狭くて迷惑をかける事態となりました。そのくらい熱心な参加者が早朝から夜遅くまで勉強する3日間でしたが、主催者としてその熱気に大いに励まされました。
これからのわが国のがん緩和医療、サイコオンコロジーは確実に変わっていきます。医療の現場に問題があるとしたら、医療者と患者さんと、そして行政が力を併せて、同じ方向に向って改善、改革の努力をすることが大切だ、と私は考えています。がん緩和医療、サイコオンコロジーも正にその方向に進むことが明確になってきた、と強く感じています。
こうした学会の際に、市民公開シンポジウムなどを開催することが定着してきました。こうした機会に、医療従事者が患者さんを含めた市民と直接話し合い、多くの問題点に共通の理解を得ることは誠に大切だと私は考えています。本シンポジウムも、優れた演者の熱心な講演と参加された皆様、そして司会の両先生の巧みな采配で活発な討論が展開されたことを本当に嬉しく思っています。
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